賃貸借契約を締結するときには、多くの会社で申込金というお金の提供が求められます。実際にそのお金を支払うことによって契約を締結できることも多いのですが、実はこの申込金は法律的にも必ず相手に対して支払わなくてはいけないものではないということを知っておかなくてはいけません。申込金というのは、賃貸借契約を申し込むときに必要だから申込金と呼ばれているわけではありません。賃貸における申込金はもっと別の意味が存在していることをきちんと理解しておくことが大切なのです。
本来、申込金は賃貸借契約の申込者が競合したときに利用する優先権を獲得するための預かり金のことを意味します。たとえば、非常に人気の高い条件であるのならばそのような部屋には多くの人が入居の申し込みをする事が予想できます。では、多くの人たちが申し込みした中でどのようにして入居者を決めていくのでしょうか。ここで、申込金という優先権を利用するのです。
不動産会社に対して申込金を預けておくと、お金を預けた人は物件の所有者と優先的に入居の交渉を行うことが可能になります。多く競合する物件であるほど申込金の効果は大きくなるので、どうしても入居したい物件があるのならば申込金を事前に預けておくことで確実に部屋を借りることができます。そして、この申込金は預かり金として法律上も解釈されるので目的を達成すると賃借人に返還されるのが普通です。そのため、賃貸借契約では申込金は進んで支払う必要はないお金だと言えるのです。
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